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銀の小箱

児童文学・童話作家 かんのゆうこのブログ

みく、という猫。

みくのしっぽ(猫)

 

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みく、という名前の猫がいる。

来月で15歳。

人間でいえば76歳くらいのおばあちゃん猫だ。

 

 

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10歳を過ぎたころからいろいろと病気がちになり、

12歳の時に大病をして死にかけ、それからずっと

食事もトイレも介護が必要な生活になった。

肺と心臓も弱ってきているので、

一日の大半を酸素ハウスの中で過ごしている。

 

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酸素ハウスは出入り自由で、無理やり入れなくても

自分から好んで入っていく。

お気に入りのベッドもあるし、中にいれば呼吸もラクだし、

自分のねぐらのように思っているようだ。

 

だいぶ前、みくがまだ1歳にも満たない頃、

(15年近く前)

猫の写真がたくさん掲載された

翻訳エッセイ写真集みたいな本を読んだことがあり、

その中に、

「猫は、子猫のうちもとてもかわいいけれど、

年を取った猫はまた格別にかわいいものだ。」

というような文章が載っていた。

 

「ふぅん、そういうものなんだ。」と、

まだ一度も猫と暮らしたことのなかった私は

ぼんやりと思った。

 

その頃、みくはまだほんのこどもで

バンビのように私の周りを跳ねまわっていた。

だから、年を取った猫、と言われても、

なかなか実感が湧かなかった。

 

でも、私はその言葉を

ずっと忘れられなかった。

 

たぶん、胸を打たれたのだ。

 

みくは少しずつ年を取り、

(人間の年齢でいえば)あっという間に

私の年を追い越し、

今ではすっかりおばあちゃんになってしまった。

 

そして、

たしかにあの写真集に書いてあった通り、

年を取ったみくは、ますます愛おしく、

かけがえのない存在になっていった。

 

今なら、

あの写真集に書かれていた言葉の意味が

理解できる。心から。

 

子猫はもちろん、どうしたってかわいい。

だけど、年を取った猫はまた格別にかわいい。

 

そう思えるのは、

共に重ねてきたかけがえのない時間が、

あるからこそなんだ、と。

 

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「さようなら。」キツネがいった。

「それじゃあ秘密を教えるよ。

とても簡単なことさ。

心で見なくちゃものごとはよく見えない。

大切なことは、目では見えない。」

「大切なことは、目では見えない。」

王子さまは、忘れないように繰り返した。

 「きみが、きみのバラをそんなにも大切に思えるのは、

そのバラのために費やした時間があったからこそなんだ。」

「ぼくが、バラのために費やした時間……」

王子さまは忘れないように繰り返した。

 

(Le Petit Prince (星の王子さま

アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ

 

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