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銀の小箱

児童文学・童話作家 かんのゆうこのブログ

ちょっとほろりとする話。

私は数年前に、フランス語検定の2級に合格しました。その次の準1級は私には難しすぎてとても受ける気にはなれなかったのですが、2級の学力維持と学力の底上げのために、今年に入ってから準1級の勉強をこつこつやり始めました。

準1級の次は1級ですから、これはもうかなり手ごわいレベルになってきます。長文問題が山盛りで、内容も政治、経済、社会問題、さまざまな事件・・・と、難しくて固い内容ばかり。

そんな中でも、たまーにちょっといい話、みたいな、ほろりとする話が取り上げられていたりします。そんな中からひとつ、先ほどささっと翻訳したものをご紹介します。(少し意訳してあります)
 

ひと月前のこと、私のもとにある獣医から一本の電話がかかってきました。「失礼ですが、あなたは以前、ディジョンにお住まいになっていて、そこで赤茶色のねこを飼っていませんでしたか。」電話口の獣医は言いました。

ディジョンと言う町は、今、私が住んでいるところから30km離れた場所にある町です。私は、いったいなぜこの獣医がそんなことを尋ねてくるのかが理解できず、しばらくじっと黙っていました。すると彼はこんな話をし始めました。

「先日、私の元へとても弱った老猫が連れてこられたのです。この猫はきっと、以前あなたが飼われていた猫だと思うのですが。」

それを聞いた私は、当時ディジョンに住んでいたとき、猫を飼っていたことを思い出しました。名前をトラ太といいました。トラ太は、1995年の11月に突然姿を消してしまいました。あちこち懸命に探し回ったにもかかわらず、トラ太はとうとう見つかりませんでした。私はとても悲しくて、それ以来どんな動物も飼う気にはなれませんでした。

ところがトラ太が姿を消して15年後、トラ太の首輪に書かれていたディジョンの住所のおかげで彼の身元がわかり、現在の私の住所が割り出された、ということだったのです。

私たち家族はトラ太が見つかったことをとても喜びました。トラ太は病院での治療のおかげであっという間に回復し、一週間後、私たちは再びトラ太と一緒に暮らし始めました。

私は、トラ太が私たち家族のことをちゃんと覚えていると確信しています。トラ太は、家に戻ってきた最初の夜、私の息子の隣りで眠りにつきました。15年前、トラ太がいつも幼い息子のそばで眠っていた時と同じように。


いかがでしたか。最後の部分、その場面を想像するだけでちょっとほろりとしますよね。(ほろほろ・・・)それにしても、15年間も生き延びたトラ太も本当にすごい。日本では普通、外猫だと長くても寿命は6~8年くらいだと言われているのに。ディジョンの町は、猫にやさしい町なのかなぁ。家族の元に戻れて本当によかったね、トラ太。

 

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